介護のすすぬ

義親と実親の介護を通して学んだこと

備忘録 vol.39

備忘録 vol.39

 

ほぼ毎日のようにデイに通う義母。

今日は唯一デイのない平日。

 

そんな日に、いわゆる子育て仲間のご近所さんが顔を出してくれた。

 

「元気にしてる? 久しぶりね。顔をみたくて寄ったのよ」

って、わざわざ出向いてくださった。

 

お互いに齢80を越え、連れ合いを亡くしたもの同士。

 

義母、何を思ったか

「昨日もあなたのお家の近くのスーパーに行ったのよ。」

「ええ、一人で。」

 

そのうえ

「一人で行けないでしょって?そうよ、タクシーでね。」

 

さらに 

「毎日、家に篭ってばかりいるのよ。たまには出かけないとね。」

 

なんて言って、毎日デイに行ってることなんかこれっぽっちも言わない。

 

認知症の義母、会話だけならなんでもあり。

 

あることないことではなく、ないことないこと、思いつきでしゃべる。

 

会話自体は成立しているから、

そんな話が全て嘘だとは相手は気づかないだろう。

だって、本当のことは知らないんだから。

 

「ご主人は元気?あら、亡くなったの?先日会ったのが最後の時ね。」

 って…。

それっていつの話をしているんだか。

というか、仲良くしていたのだから、おそらくお葬式には出ているはず。

 

見た目ではわからない認知症

やっぱりカムアウトしたほうがよくない?

 

そんな風に思いながら、二人の会話を聞いていた。

  

もしかして、相手も認知症

 

でも、一人で買い物に行ったり、

こうして訪ねてきてくれるんだから、違うか…。

 

2016.5