介護のすすぬ

義親と実親の介護を通して学んだこと

備忘録 義父の最期

 

備忘録 義父の最期

 

その日は連休の最終日。

 

夜に様子を見に夫と義実家に出かけた。

義母は別室でテレビ。

 

家でみられるような状態じゃない義父を、

最期まで家でみる覚悟でいたけれども、

いろんな辛いことがあったから、

最後は同じ屋根の下でも距離を置いていた義母。

 

「子どもを家に置いているので、今日のところは私は帰りますね。

お義母さんやお義父さんが心配なので、夫には泊まってもらいますね。」

 

「じゃあ、私は帰りますね。」

 

そう言って寝ている義父に目をやったときに、

口がパクパクしてなにか喘いでいる様子だった。

 

ちょっとなにか様子が変じゃないですかって、

お義母さんと義父のそばに寄ったら、

程なく波打っていた頸動脈が波うたなくなった。

 

 えっ?これって何?今、もしかして息を引き取ったの?

 

義母と2人でわけがわからない。

 

それもそのはず、そんな経験はお互いにはじめてだったから。

 

夜中だったけど、

訪問診療の医者と訪問看護来ていたナースに連絡。

 

駆けつけた医師が死亡診断書を書き、

到着したナースが死後のお世話をしてくれた。

 

「硬直が始まる前に着替えたほうがいいですよ」と促されて、

パジャマを着ていた義父を洋服に着替えさせたのは夫だった。

 

その時の義母は、何もせず他人ごとのように知らん顔。

 

介護があまりにも大変だったから、触りたくもないんだね…

そんな風にも見えた。

 

それだけ追い詰められていた老老介護

 

介護は元気じゃないとできない仕事だよ。

 

義父の逝ったときの話。

もうとっくに過ぎたこと。

 

 

2016.5