鍵
鍵
義母がまだ要介護2だった頃
ひとりでどこかに出かけてしまうことを心配して
義弟から
「外に出られないように、外からかけられる鍵を付けてはどうか」
という話がありました。
私が義母の本格的なお世話を始めた頃でした。
それは
義母はデイサービスの後に義実家に戻らないで
我が家に来るようになった頃でもあります。
我が家に来ると
「なんでここに送られちゃうのよ」
「またここだわ」
と言っていたことからもわかるように
我が家に送られて来ることは望んではいませんでした。
うちに来ると必ずうろうろして
部屋やクローゼットの扉を片っ端から開けていきます。
何度も来ている家なのに
きっと精神的には不安だったんだと思います。
そんな状態で
「家の外に出られないように鍵をかける」
ということはあり得ません。
結局、閉じ込めるようなことはなく
今に至っています。
あれから3年半。
今、義母は要介護5です。
自分で起き上がることも立ち上がることもできません。
閉じ込めなくてよかったと思っています。