介護のすすぬ

義親と実親の介護を通して学んだこと

備忘録 vol.5

備忘録 vol.5

 

本人も辛い。

 認知症だからといって、突然何もわからなくなるわけではなく、

忘れていく自分に違和感を感じながら生きている。

 

昨日何があったか、誰が来たか、どこに行ったか

食べたものはもちろんのこと、ただ時間が流れているだけで

何も覚えてはいない。

 

だから、昨日は誰が来たとか言われても覚えてないから

過去のことを聞いたり、過去の話をしたりすると不機嫌になる。

 

自分からする話は、昨日のことも1週間前のことも1月前のことも

すべて「昨日」という言葉に置き換わる。

 

義母には機嫌よく暮らしてもらうべく、

会話から過去のことはすべて取り除き、今のことだけ話すようにした。

 

1年経った今は、忘れていく自分を受け入れているのか

「近頃、なんにも覚えていないのよね」って、自分から笑って言えている。

 

まわりの家族はおかしいと思いつつ、本人のことを思って

認知症」「ボケてる」という言葉は使わないけど、認知症ってわかった時点で告知するのもありなんじゃないかと思う。

 

ヒトによるかもしれないが、私なら告知して欲しい。

その後の人生をどう生きようか、まだ考えられる時に考えておきたいから。

 

 

2016.4