介護のすすぬ

義親と実親の介護を通して学んだこと

認知症 vol.2

認知症 vol.2

 

父は認知症です。

自分でも自覚しています。

 

そのせいか

いつも不安なのです。

 

「これでいいか」

「なにか忘れている気がする」

 

これは父の口癖です。

そして私のところに何度も来るのです。

「これでいいか?」と。

 

事実、パジャマの上から洋服を着たり

洋服の上からパジャマを着たりしているのです。

 

私が指摘して修正させているのですから

いちいち聞きに来るのは仕方がないのです。

それでも「大丈夫だよ、全部あってるから」

そういっても、すぐに忘れるのか、常に不安なのか

何度も確認にきます。

 

父はもともと着る服には無頓着だったからなんて

そんな言い訳をしていますが

パジャマと洋服の区別がつかないのは

そういうこととは違うと思うのです。

 

一緒についていて「次はこれ」と言って差し出すか

何度も「パジャマを脱いでから着るんだよ」としつこく言うか

そうでもしないとちゃんと着替えられません。

 

それでもルームウエアで日中も寝る時も同じものを着る

そんなことはあえてさせません。

 

洋服を着るときとパジャマを着るときと

メリハリを付けています。

 

そして本人にも言うのです。

 

「着替えも大切なリハビリ。

そうでもしないと朝と夜の区別がつかなくなるから。」

 

そして最後に言うのです。

認知症だから」

 

きつい娘だと思います。

でも父だから言うのです。

 

認知症だという自覚をもってもらうことと

だから面倒でも着替えだって必要なのだ理解すること。

 

昔は偉そうにしてた父です。

昭和一桁生まれですから

母に対しても子供に対しても

偉そうだったのです。

 

でも、今は素直に私の話を聞いてくれます。

それは介護をしている娘としても救われる部分です。