癌 vol.2
癌 vol.2
外科では虫垂にデキモノがあるとだけ言われました。
それが良性なのか悪性なのか
手術をして生研に出さないと判断はできない
そう言われたのです。
父は高齢で認知症もあります。
白内障の手術で2泊3日入院しただけでも
大変なことでした。
父は
「痛いことはしたくない。
この年まで生きたから何もしたくはない」
そう医師に告げたのです。
Dr.は
「若い人なら間違いなくすぐに手術することを勧めますが
なにぶん高齢だし、本人が望まないのなら何もしないという選択肢も有りです」
そんなことだったように思います。
病院は病気を治療するところなのです。
治療を望まない人には何もできないのです。
高齢になると
そういう判断が難しくなると思います。
本人が治す気がなければ
何事も始まらないのです。
診療室を出る前に
Dr.に「気が変わって後で治療するとか言わないでくださいね」
と言われたのは何を意味したのか。
手遅れになってから来ても仕方がない
ということだったのでしょうか。
複雑な思いに駆られながら
病院を後にしたのでした。