介護のすすぬ

義親と実親の介護を通して学んだこと

頻尿 vol.2

頻尿 vol.2

 

父が我が家に来た時は

前立腺肥大で過活動膀胱でしたから

何度もトイレに行く父にとって

部屋から廊下を歩いてトイレに行くのが大変なようでした。

 

その上、パーキンソン病の前兆だったのか

歩行にも支障があったようで

ほとんど間に合っていません。

 

リハビリパンツを履いているから

漏らしても何の問題もないのですが

父本人は精神的に苦痛のようでした。

 

「尿瓶を買ってくれるか?」

父に言われるがままに尿瓶を買ったものの

どこに尿瓶を置いたかもわからなくなり

尿瓶を探している間に漏らしてしまう

そういうことも度々ありました。

 

うまく入れられないのか

布団を濡らすことだってありました。

 

頻尿ですから

一度に出る尿量は大したことはないのです

 

一晩同じ尿瓶を使い続けても

朝まで満タンになることはないのです。

 

それなのに

夜中に尿瓶でオシッコを取った後に
それをいちいち流しにトイレにいきました。

 

今時の尿瓶はこぼれたり漏れたりしないような

特殊なキャップもついています。

うまく使えれば有用だと思います。

 

しかし、新しいことが覚えられなくなった父には

今までやってこなかったようなことは定着しないのです。

 

尿瓶を買っておいてあることすら

忘れてしまうのです。

 

ケアマネさんから、ポータブルトイレの提案もありましたが

ポータブルトイレを置いてあることも忘れるだろうし

ポータブルトイレの周りを汚すことだって安易に予想できます。

 

それに家に2か所あるトイレの掃除でさえ大変なのに

ポータブルトイレまで掃除するとなると

私の負担が増えるのは明らかでした。

 

亡くなった義父や実母もポータブルトイレを借りていましたが

使ったためしがありません。

どんなに体が不自由であっても

部屋の中で用を足すのには抵抗があるのです。

 

結局は父はトイレでしか用を足さなくなりました。

 

せっかく買った尿瓶は

今はベッドの下で埃をかぶっています。