備忘録 vol.7
最初の頃
ミッション : 夕食を食べて帰ること
いきなり
「今日からご飯を食べて帰ってね」と言われても
すぐには受け入れられません。
デイから帰る先が自分の家ではなく、
嫁が待つ息子の家になったら明らかに戸惑います。
この生活に義母が慣れるまで時間がかかりました。
最初の頃は、すぐに「帰る」と言いました。
時間を持たせるために
ちよっとしたお菓子やお茶を出すようになりました。
食事をしたいと思わせるために、
見た目も綺麗な色とりどりの食事を用意するようにしました。
嫌いなものがあると食べないだろうと思い
色んなものを少しずつ食べてもらえるような料理を作りました。
焼きたてのパンを用意したこともありました。
おやつで小腹が満たされて「ご飯はいらない」と言われたり、
お腹が空いてないから食べないと言われたこともありました。
逆にちゃんと食べたのに
「何も食べさせてもらっていない」と言って
自分の家に帰ってから何かを食べることもありました。
そんな姿を見て苛立つ自分に気づいた時、
私は自分が小さい人間だと思って落ち込みました。
自分の今までの生き方を試されていると思いました。
今では何があっても笑い飛ばせる自分と、
築き上げた関係のおかげで上手く誘導できている自分がいます。
この人に、ひととして育てられていると思います。
2016.4